水回りリフォーム、どこから始めればいい?
「そろそろお風呂が古いけど、キッチンも使いづらいし、トイレも気になる…」
水回りのリフォームを検討するご夫婦からよく聞かれるのが、「どこから優先して直すべきか分からない」 という悩みです。
実際、水回りリフォームは家の中でも費用がかかる場所。すべて同時に工事すれば確かに効率的ですが、数百万円単位の出費になってしまうことも少なくありません。
だからこそ、限られた予算をどう配分し、「今すぐ必要な場所」 と 「後からでも大丈夫な場所」 を見極めることが重要です。
この記事では、水回りリフォームを検討している初心者夫婦に向けて、優先順位の決め方 をわかりやすく解説します。読むことで「なるほど、うちの場合はここからだ!」と判断できるようになるはずです。
なぜ優先順位をつける必要があるのか?
水回りは毎日使うからこそ、劣化や使いにくさを感じやすい場所です。ですが、リフォームには平均して 80万〜150万円(1か所あたり) ほどの費用がかかるため、全部まとめてやるのは現実的ではない家庭も多いでしょう。
優先順位をつけるメリットは以下の3つです。
- 予算を有効活用できる
┗ まずは急ぎの場所に集中投資し、その他は後からでも対応可能。 - 暮らしの満足度が上がる
┗ 生活の中でストレスが大きい場所を改善すれば、日常が快適に。 - 無駄な出費を防げる
┗ まだ使える設備まで無理に替える必要がなくなる。
特に「水漏れ」「ヒビ割れ」「カビの広がり」といったトラブルを放置すると、後々の修繕費がさらにかさみます。逆に、少し不便だけどまだ使える場所は後回しにしても問題ありません。
優先順位を決める5つの基準
では、どうやって優先順位をつければいいのでしょうか?
実は多くのリフォーム経験者や専門家が口を揃えて言うのが、この5つの基準です。
- 劣化や故障の度合い
→ 水漏れ、サビ、部品の破損は最優先。 - 日常生活での使用頻度
→ 毎日必ず使う場所ほど早めのリフォームを。 - 安全性や衛生面
→ カビ・段差・滑りやすさは健康被害につながります。 - ライフスタイルの変化
→ 小さなお子さんがいる、将来親と同居する、老後を見据える…など家族の状況に合わせる。 - 予算とのバランス
→ 一度にやるより、段階的に分けてやる方が負担が少ないケースも。
この5つを照らし合わせることで、「どのリフォームから始めるか」がぐっと明確になります。
①:お風呂リフォームを優先するケース
- 所在地:全国共通(特に寒冷地では重要度が高い)
- 特徴:浴槽や壁のひび割れ、断熱性不足、カビが多い場合は優先度大。
- ボーダーライン:ユニットバスの耐用年数は 15〜20年程度。それを過ぎたらリフォームを検討。
- リンク:TOTO公式サイト(浴室リフォーム)
- おすすめ理由:お風呂は一日の疲れを癒す空間。特に冬場の浴室が寒いと「ヒートショック」などの健康リスクもあります。断熱性を高めた最新のお風呂に替えることで、光熱費も下がり、快適性と安全性が両立します。
実際の事例
東京都在住の40代夫婦のケースでは、築20年の浴室を放置していたところ、壁裏の水漏れが発覚。工事費が膨らみ、予定より50万円ほど高くついてしまったそうです。早めに浴室を優先していれば、もっと安く済んだと後悔されたとのこと。
②:キッチンリフォームを優先するケース
- 所在地:全国共通
- 特徴:収納不足、換気扇やガスコンロの故障、調理スペースが狭いなど。
- ボーダーライン:キッチン設備の寿命は 10〜20年。特にコンロや水栓の不具合が目立つなら優先度大。
- リンク:LIXIL公式サイト(キッチンリフォーム)
- おすすめ理由:キッチンは食生活を支える大事な場所。使いにくさが積み重なると、料理の時間そのものがストレスになります。最新のシステムキッチンは収納力も高く、お手入れがラクになるのが魅力です。
実際の事例
大阪府の30代夫婦では、「料理好きの妻が狭いキッチンに限界」と感じ、リフォームを最優先に決定。収納力が上がり、作業効率が良くなったことで、「以前より家族で料理する時間が楽しくなった」と話されています。
③:トイレリフォームを優先するケース
- 所在地:全国共通(特に築20年以上の住宅)
- 特徴:トイレは一日数回必ず使う場所。便器の劣化や水漏れ、においが気になる場合は生活の快適度が大きく下がります。
- ボーダーライン:トイレの耐用年数は15〜20年。節水性能が古いタイプだと、水道代が無駄に高くなることも。
- リンク:Panasonic公式サイト(トイレリフォーム)
- おすすめ理由:最新のトイレは清掃性が高く、除菌機能や自動洗浄機能を備えたモデルも登場しています。来客の目にも触れる場所なので、早めにリフォームすることで清潔感と安心感を手に入れられます。
④:洗面所リフォームを優先するケース
- 所在地:全国共通
- 特徴:洗面ボウルのひび割れや収納不足、鏡の劣化などは見た目だけでなく使い勝手にも直結します。
- ボーダーライン:洗面台の耐用年数は15〜20年。水はねによる劣化が早いケースも多く、築年数にかかわらず状態をチェックすることが大切です。
- リンク:クリナップ公式サイト(洗面化粧台)
- おすすめ理由:毎朝必ず家族全員が使う洗面所。収納力のあるモデルや三面鏡タイプに替えると、朝の身支度がスムーズに。費用も比較的抑えられるため、予算が限られている家庭にもおすすめです。
⑤:まとめて同時にリフォームするケース
- 所在地:全国共通(特に築20年以上の住宅や中古購入直後の住まい)
- 特徴:一気に工事を行うことで、工期が短縮でき、トータルの工事費も抑えられる場合があります。
- ボーダーライン:築20年以上で水回りをほぼ交換していない家は、まとめてリフォームするタイミング。
- リンク:住友不動産リフォーム公式サイト
- おすすめ理由:複数箇所を同時にリフォームすることで、工事期間中の生活への影響を一度に済ませられるのが大きなメリット。またローンを使う場合も、まとめて契約した方が金利や手続きの面で有利になることがあります。
リフォームを成功させる計画術
水回りリフォームの優先順位を決めたら、次は計画の立て方がポイントになります。ここを押さえておけば、予算オーバーや後悔を防ぐことができます。
1. 予算の上限を決める
「お風呂に100万円、キッチンに150万円…」と部分ごとの金額を考えるより、まず総額を決めてから配分する 方が現実的です。
2. 優先度を夫婦で話し合う
「料理を快適にしたい」「寒いお風呂を改善したい」など、夫婦で意見が違う場合は生活に与える影響の大きさを基準に決めましょう。
3. 相見積もりを必ず取る
同じ内容でも業者によって見積もりが20〜30%違うことも珍しくありません。最低3社から見積もりを取り、内容を比較してください。
4. 補助金や減税を活用する
エコリフォームやバリアフリー改修なら国や自治体の補助金制度が使えることがあります。知らないと数十万円損をする可能性もあるので、事前に確認を。
5. 生活動線を意識する
「お風呂と洗面台は同時に替える」「キッチンと給湯器を一緒に交換する」など、生活動線を意識した工事計画を立てると無駄が減ります。
優先順位を見極めて、納得のリフォームを
水回りリフォームは家族の暮らしを大きく変える投資です。
ですが、同時に進めると大きな出費になるため、「どこを優先するか」 の判断がカギになります。
- 故障や水漏れがある場所は最優先
- 日常的に使う頻度が高い場所から改善
- ライフスタイルや将来を見据えて選ぶ
この流れで考えれば、きっと納得感のあるリフォーム計画が立てられるはずです。
「全部やりたいけど予算が不安…」という場合は、まず1か所から始めても大丈夫。経験を積めば次のリフォームにも活かせます。
ご夫婦でじっくり相談しながら、快適で安心できる住まいを実現してくださいね。


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